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人とペットの高齢化社会を迎えて

現在の日本社会では、高齢化、核家族化が進行しています。

そんな中で、家庭におけるペットの役割はますます重要なものと

なっています。しかし残念ながら、国内のペット飼育頭数は

ここ数年緩やかな減少傾向を示しています。

そのひとつの要因として、国内のペットも人間同様に高齢化を

迎えており、そのペットを見送られた飼い主さんが高齢者で

あったときに次の飼育を諦めておられるケースが多いことが

あげられると思います。

しかし高齢者の方がペットを飼育することには様々な意義が

あります。例えば一人暮らしの高齢者の方がペットと生活している

と、そこにはペットとの間に会話が成立します。

これは認知症の予防につながります。

また、その世話をすることで1日のリズムができ、ペットを連れて

散歩する時にはよその人と話しをすることも増えます。

これは高齢者の孤立化を防ぎます。

またペットのためにもご自身の健康に配慮するようになり、結果健康寿命の増進にも寄与します。

 

他方で、ペットの寿命はヒトよりも短いがために、愛するペットの介護や悲しいお別れを経験することも当然あります。

ペットを亡くされてその悲しみが癒えたときに、また新たにペットを家族として迎い入れる方と、もう飼わわないと決められる方がいっらしゃいます。

そこには様々な理由がありますが、特にご高齢の方の場合は、自分の年齢を考慮されて飼いたいけど諦めてしまう方が多いようです。

亡くされた方が新しい家族を連れて嬉しそうに病院にいらっしゃるとこちらも元気をもらえます。

ですが寂しそうにされている姿をお見受けすると、とても身につまされます。

まだまだ十分お元気ですし、ご自身のためにもペットを飼い続けていただきたいなぁと個人的には思うのですが、ご本人としてはいろいろとハードルが高いのが現実なのだと思います。 

この傾向は1人暮らしの高齢者の方に特に多いように思います。

しかしこのような方にこそ伴侶動物は必要なのではないでしょうか。

 

幾つになっても安心してペットと暮らせる社会の仕組みづくりが今こそ急がれるのではないでしょうか。

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